サラームカフィ公式ブログ〜WEB自家焙煎教室〜

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徹底解説一重ドラムと二重ドラム焙煎機の差

 

日本語ではどちらもまとめて半熱風式と言いますが、一重ドラムと二重ドラム、実は全く特性が異なります

一重ドラムは伝導熱も多く使うのに対して二重ドラムは熱を遮断してあるので対流熱が中心となり、蓄熱を活かす一重ドラム焙煎機より大火力大風力でふっくら焼けます、

ただし多糖類の加水分解時間が短く少糖類が増えないためメイラード反応は少なく2ハゼ後の深煎りはあまり美味しくなりません、

フジローヤルさん流に言うと「豆が乾きすぎる」ということです
実際ヨーロッパなどでは二重ドラム焙煎機の普及とともに深煎りは衰退しました。

焙煎方法も二重ドラム焙煎機は序盤の大火力で水を飛ばしてからだんだんと火力を下げて行くのに対して

一重ドラム焙煎機はだんだんと火力を上げながら「蒸らし」や「水抜き」と呼ばれる段階を重視して過剰なクロロゲン酸類の加水分解が起こらないように伝導熱で豆から水分を適正量まで抜くのです、

そのため焙煎序盤にダンパーを閉じ気味にして排気を抑えるわけです。

プロバットなど二重ドラムメーカーが世界標準なのですが、日本メーカーも別に作れない訳ではありません。

当然注文すれば作ってくれますが、それが10kg以下小型機で主流にならない理由はやはり日本のフィルターコーヒー用に香りよりコクのある甘みを重視する日本人の味覚と夏に深煎りのアイスコーヒー用の豆が必要という需要に答えているからです。

 

プロバットにダンパーはついてないからダンパーを使ったフジローヤル推奨の焙煎は世界標準ではなく間違っているというのは誤解です、

 

フジローヤルの焙煎機と焙煎方法は日本の市場に合わせて発展して来た正当な技術なのです。