水洗い焙煎派の人達が言うようにコーヒー生豆を水で洗うと色が出てきてまるで「現地の土の色」が出てきたように見えてしまいます(実際はパーチメントの内側に染み込んだ果肉の色)
フルウォッシュドなど加工の種類によってはほとんど色が出ないものがあります、この差で洗った生豆=土で汚れてない豆というように勘違いされる一部の水研ぎ焙煎派の方がいらっしゃるわけです。
しかし、これは間違いです、細かく説明するとコーヒーの生豆の処理には大きく分けてナチュラル製法、フルウォッシュド製法、セミウォッシュド製法、スマトラ式製法がありますが
ナチュラル製法は果肉ごと乾燥させるので当然中まで一番多く長く果肉の成分が染み込むのです、
フルウォッシュド製法の生豆は果肉を脱穀してミューレージを発酵させて完全に取り去り更に洗浄することで果肉に触れる期間が短いので当然成分は生豆まで染み込みにくいわけですから「土埃」が付いていないように見えるわけです。
ミューレージまで処理してから乾燥させるセミウォッシュ式はその中間のために「少し土埃がついている」ように見えるわけです。
そしてスマトラ式は生豆の状態まで脱穀してから乾燥させるので果肉と触れている時間が特に短いために洗っても色が出にくい訳です、
パーチメントで包まれないで乾燥させるスマトラ式はイメージとは逆にある意味で一番土埃がつきやすいはずですが実際はそうはならず綺麗です、これは当然ビニールシートや高床を使うためです。
もう一つ例外をいうと実はスマトラ式と同じように洗っても「土埃」が出ないように見えるモンスーン処理はウォッシュドではなくナチュラル製法なのです、
しかしモンスーンの潮風に当てて2倍に膨らみ(密度が低いので水に浮きますが乾燥しているわけではなく水分量は15%近くあります)
その間に幾度となく撹拌するので表面の果肉が研磨されて落ちるので「土埃」がついていないように見えるというわけです。
何度も言うように銀杏の殻の中身が汚れていないのと同じく果肉やパーチメントや農家の皆さんの絶え間ない努力によって保護されている生豆に土埃は付きようがありません、
それでも生豆にはまんべんなく土埃がついているというお考えならばどうぞお取引先の商社に問い合わせてみてください。