サラームカフィ公式ブログ〜WEB自家焙煎教室〜

Salem Kaffee(サラームカフィ)の公式ブログです、焙煎理論・抽出理論・サンプルロースター設計を公開しています。

コーヒーの情報源

サンフランシスカン焙煎機のダンパー操作

以下はサンフランシスカン焙煎機のメーカーのWEBサイトからの機械翻訳です、

ダンパー操作による伝導熱と対流熱の比率を変える焙煎の方法が書かれています

 

サンプルスプーンの差込口から負圧を確認するあたりフジローヤル推奨のニュートラル焙煎と似ていて面白いです

 

https://www.sanfranroaster.com/en/knowledge/how-should-i-use-the-roasting-air-and-drum-speed-controls

 

How Should I Use the Roasting Air and Drum Speed Controls?

焙煎空気とドラムの速度コントロールはどのように使用すればよいですか?

ここでは、サンフランシスコ ロースターで初期焙煎するためのベスト プラクティスをいくつか紹介します。

注: 以下にリストされている手順は、SF-10、SF-25、または SF-75 を購入した新しいロースター向けの提案です。これらは決して効果的に焙煎するための唯一の方法ではなく、焙煎業者に必要な操作モードを表すものではありません。焙煎機のオペレーターは、焙煎する前に、気流コンポーネントがきれいで、チャフやその他の破片がないことを常に確認する必要があります。 

 

ロースターの操作に慣れてきたら、焙煎空気を 100% (つまり時計回りに完全に回す)、ドラム速度を 50% に設定します。

焙煎中の空気の流れを制御するには、クロスオーバーパイプ内の機械式エアダンパーのみを利用します。

これらの設定を使用すると、ロースターの熱挙動に慣れることができ、機械式エア ダンパーの調整が周囲の気温 (Watlow コントローラーの緑色の温度) と豆の温度 (赤色) の両方にどのような影響を与えるかがわかります。

焙煎中は、焙煎機のドラム内に負圧がかかっていることを確認することが重要です。これにより、チャフ、煙、灰が豆から取り除かれてチャフ サイクロンに送られ、焙煎中のコーヒーの味も向上します。

ドラム内の圧力を確認するには、焙煎中に豆トリアーをフェイスプレートから一時的に取り外します。トリアーウェルからチャフが出てくる場合、ドラム内には正の圧力がかかっています。豆トリアーを交換し、機械式エアダンパーを段階的に開いて、ロースターのドラムに負圧を戻します。

十分な量の焙煎を行って、焙煎機の設定と焙煎中に発生するさまざまなフレーバーを関連付け始めた後、焙煎空気とドラムの速度制御の調整を開始できます。これらは、焙煎中に豆が経験する対流熱伝達と伝導熱伝達の比率を制御します。ただし、機械式エアダンパーを閉じた状態で焙煎空気を 50% 以下に下げることはお勧めできません。炎が「怠惰」になり、ドラムからチャフ、煙、灰が除去されなくなるからです。効果的に。

プロバットのダンパー操作❷

https://www.youtube.com/live/3HXG9vEyLyc?si=NrW21hc2kt8ep0RX

このプロバット公式動画の38分30秒くらいからUG22の手動ダンパー操作による焙煎方法の説明があります。

いつからユーチューブ埋込できなくなったんだーめんどい!

↓の動画の7分10秒からUG22のダンパーの構造説明があります。

https://youtu.be/UaSO05HMSYc?si=dmPBbcDUAK66LtRl

プロバットのダンパー操作❶

 

最近「ダンパーを使った焙煎は日本だけ」とか「プロバットの焙煎機にはダンパーはついていない」と主張される方々がいらっしゃいますがそれは間違いです。

 

例えばプロバットのUGシリーズは排気ファンの前にダンパーがついており手動で排気量を調整できます写真❶❷


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写真❸❹の1985年のUG22マニュアルには1ハゼ後に火力とともに短時間ダンパーを絞ることで香りを良くする焙煎が紹介されています。


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この他ダンパー付き焙煎機はアメリカのサンフランシスカンや韓国のプロスター台湾のフジンや多くの中国メーカーなどたくさんあり焙煎中に排気量を調整する手法は各国にあります。

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以下UG22のマニュアルを日本語約したものです。

 

31.08/85

 

PROBAT

 

F. ROASTING OPERATION

 

EMMERICH

 

When the thermometer Item 2 indicates a temperature of about 200° C, the green coffee which has to be filled into the feeding hopper first, may be charged into the roaster cylinder by opening slide gate Item 4. We recommend to use coffee of inferior quality for the first few roasts. During roasting, the degree of the roast may be checked by taking smples or by looking through the sight-glass in the cylinder cover.

 

After the first distinctly audible "crackling" of the coffee beans in the cylinder, gas valve 2 at point 17, or diaphragm valve 2 at P2 can be closed to throttle the heating. Somewhat later gas valve 2 can be closed as well. For certain types of coffee, or for certain blends, it may be advisable or preferred for a kind of "compensation" of the roast to set the valve box to "EXTERN" (external heating) for a period of about 1 minute, while the heating is being switched off gradually. This may also be done towards the end of the roasting cycle. This, however, is a matter of personal experience. Shortly before termination of the roasting cycle, when only the pilot flame is left burning, the valve box may be set to "AROMA". (maximum 30 to 40 secs.). Thus, no air will be drawn through the cylinder. The beans are virtually "braised", which will improve the aroma of the coffee.

 

Heating control:

 

Both gas valves opened

 

3/3 heat application

 

Only valve no. 1 opened

 

1/3 heat application 2/3 heat application

 

means "quick, fast"; hot air circulates through the

 

Only valve no. 2 opened

 

Settings of Valve Box Item 15:

 

"EXPRESSO"

 

roasting cylinder, while the cylinder is simultaneous- ly heated outside.

 

"EXTERN"

 

means "external heating only". No air circulates through the cylinder.

 

"AROMA"

 

No exhaust from the cylinder, and no heating, neither inside nor outside. All flames must be switched off, except the pilot flame.

 

In the roaster fan there is a damper. This damper should be adjusted only once, that is when the roaster is erected and when the exhaust piping is connected. The same applies to damper Item M. Actually, this slider M operates damper M of the roaster fan. Once set, this setting should not be changed.

 

G. COOLING

 

When the coffee has the required roasting degree, the cooler fan and

 

the stirring mechanism may be started by means of lever Item 20. If

 

not yet done, valve box 15 should be re-set to "EXPRESSO". Then, dis-

 

charge gate Item 9 should be opened so that the coffee is discharged

 

on the cooling screen, where the stirrers distribute the coffee over

 

the whole surface of the perforated cooler bottom. When the coffed is

 

thus distributed, the stirrers may be switched off until the coffee

 

beans are cooled sufficiently. Then re-start the stirrers and open

 

cooler gate 14 to discharge the coffee. Switch off the cooler fan.

 

Blatt

 

page 5

 

Dr. Nr. 29

 

437

 

 

以下グーグル翻訳

 

85/8/31

 

プロバット

 

F. 焙煎作業

 

エメリッヒ

 

温度計項目 2 が約 200°C を示している場合、最初に供給ホッパーに充填する必要がある生コーヒーを、スライド ゲート項目 4 を開いて焙煎シリンダーに充填することができます。品質の悪いコーヒーを使用することをお勧めします。 最初の数回のローストでは。 焙煎中はサンプルを採取したり、シリンダーカバーの覗き窓から焙煎度を確認したりできます。

 

シリンダー内のコーヒー豆の最初の明確に聞こえる「パチパチ音」の後、ポイント 17 のガスバルブ 2、または P2 のダイヤフラムバルブ 2 を閉じて、加熱を絞ることができます。 少し遅れてガスバルブ 2 も閉じることができます。 特定のタイプのコーヒーまたは特定のブレンドでは、焙煎の一種の「補償」として、バルブボックスを約 1 分間「EXTERN」(外部加熱)に設定することが推奨または好ましい場合があります。 暖房は徐々にオフになります。 これは焙煎サイクルの終わり近くに行うこともできます。 ただし、これは個人的な経験の問題です。 焙煎サイクルの終了直前に、パイロット炎のみが燃え続けるときは、バルブボックスを「AROMA」に設定することができます。 (最長 30 ~ 40 秒)。 したがって、空気はシリンダーを通って引き込まれません。 豆は実質的に「煮込まれている」ので、コーヒーの香りが向上します。

 

加熱制御:

 

両方のガス栓が開いた

 

3/3の熱適用

 

バルブNo.のみ 1 開封済み

 

1/3加熱 2/3加熱

 

「速い、速い」を意味します。 熱気が循環します

 

バルブNo.のみ 2 開いた

 

バルブボックス項目 15 の設定:

 

"エスプレッソ"

 

焙煎シリンダーを同時に外部で加熱します。

 

「エクスターン」

 

「外部加熱のみ」を意味します。 シリンダー内を空気が循環しません。

 

"香り"

 

シリンダーからの排気がなく、内部も外部も加熱されません。 種火を除くすべての火を消す必要があります。

 

ロースターファンにはダンパーが付いています。 このダンパーの調整は、焙煎機の組み立て時と排気管の接続時に一度だけ行ってください。 ダンパーアイテムMも同様であり、実際には、このスライダーMがロースターファンのダンパーMを動作させる。 この設定は一度設定したら変更しないでください。

(訳注 これは恐らく排気ファンについている板状のダンパーのこと基本固定)

 

G. 冷却

 

コーヒーが必要な焙煎度になったら、冷却ファンと

 

撹拌機構はレバー項目 20 を使用して開始できます。

 

まだ完了していない場合は、バルブボックス 15 を「EXPRESSO」に再設定する必要があります。 それから、ディス-

 

コーヒーを排出するには、チャージゲート項目 9 を開ける必要があります。

 

冷却スクリーン上で、スターラーがコーヒーを分配します。

 

穴あきクーラー底面全体。 コーヒーが冷めたとき

 

このように分配されると、コーヒーが完成するまでスターラーのスイッチをオフにすることができます。

 

豆は十分に冷やしてください。 次にスターラーを再起動して開きます。

 

クーラーゲート14を押してコーヒーを排出します。 冷却ファンのスイッチを切ります。

 

ブラット

 

5ページ

 

Dr.Nr. 29

 

437

 

 

水洗い焙煎派の皆さんへ

 

 

新しく入荷したブラジル産の生豆を20分ほど水に漬けて水研ぎしたら黄色っぽい色が出てきました、

 

ですがこれは現地の土がまんべんなくこびりついていたのではありません、

 

このコーヒーの品種がイエローブルボンだから黄色い果肉の色が出てきているのです。

ムンドノーボなどの赤い実の品種のナチュラル製法の豆では赤っぽい小豆色になります。

 

一部の土がついてる水洗い焙煎派の皆さん、もういい加減現地の土埃で生豆が汚れているだなんていうのはやめましょうよ、頑張って品質向上をしている農家の人達が可哀想ですよ。

徹底解説 焙煎の蒸らしheat soakとは?

 

日本の焙煎技術である「蒸らし」とか「水抜き」と呼ばれる技術は実は海外にも存在しており英語圏ではheat soakとかsoakingと呼ばれています↓以下ミルシティコーヒーロースターズのブログ記事をご参照ください

https://millcityroasters.com/blogs/coffee-articles/what-is-a-soak直訳すれば「熱浸漬」「熱漬け」でしょうか?これは焙煎前半で火力を落とす、もしくは消して伝導熱を主に豆に与える焙煎法です、

 

それと同時に可能な機種であればギーセンなどではインバーターで排気ファンとドラム回転を弱め、更にサンフランシスカンなどの排気ダンパーのある焙煎機ではダンパーを閉めます。

 

面白いのが日本の蒸らしと同じくコーヒースプーンの刺し口から負圧を確認したり特にナチュラル製法など水分量の少ない豆に使い、香りの代わりに甘さを強めるために使うということです!

 

生物の進化でいう収斂進化みたいなものですね、20世紀初頭アメリカののRoyal焙煎機から枝分かれたショップロースターの2つの系統が同じ技術に至ったわけです。

 

復習すると伝導熱中心で焼くと水分の蒸発が抑えられ多糖類の加水分解が進みそこで生まれた少糖類がメイラード反応を起こしメラノイジン特有の甘さが引き出される訳で、この課程を昔の焙煎師の方々は蒸らしとよんでいたのです。

 

問題は蒸らしをどこまでするかなんですよねこれが今の私の課題です、130℃?150℃?或いはカフェ・バッハさんみたいに1ハゼまでダンパーを閉じるのが正解なのか…先輩の皆様のご意見お聞かせ願えませんでしょうか?

徹底解説一重ドラムと二重ドラム焙煎機の差

 

日本語ではどちらもまとめて半熱風式と言いますが、一重ドラムと二重ドラム、実は全く特性が異なります

一重ドラムは伝導熱も多く使うのに対して二重ドラムは熱を遮断してあるので対流熱が中心となり、蓄熱を活かす一重ドラム焙煎機より大火力大風力でふっくら焼けます、

ただし多糖類の加水分解時間が短く少糖類が増えないためメイラード反応は少なく2ハゼ後の深煎りはあまり美味しくなりません、

フジローヤルさん流に言うと「豆が乾きすぎる」ということです
実際ヨーロッパなどでは二重ドラム焙煎機の普及とともに深煎りは衰退しました。

焙煎方法も二重ドラム焙煎機は序盤の大火力で水を飛ばしてからだんだんと火力を下げて行くのに対して

一重ドラム焙煎機はだんだんと火力を上げながら「蒸らし」や「水抜き」と呼ばれる段階を重視して過剰なクロロゲン酸類の加水分解が起こらないように伝導熱で豆から水分を適正量まで抜くのです、

そのため焙煎序盤にダンパーを閉じ気味にして排気を抑えるわけです。

プロバットなど二重ドラムメーカーが世界標準なのですが、日本メーカーも別に作れない訳ではありません。

当然注文すれば作ってくれますが、それが10kg以下小型機で主流にならない理由はやはり日本のフィルターコーヒー用に香りよりコクのある甘みを重視する日本人の味覚と夏に深煎りのアイスコーヒー用の豆が必要という需要に答えているからです。

 

プロバットにダンパーはついてないからダンパーを使ったフジローヤル推奨の焙煎は世界標準ではなく間違っているというのは誤解です、

 

フジローヤルの焙煎機と焙煎方法は日本の市場に合わせて発展して来た正当な技術なのです。