「珈琲の香りを破壊する銅イオン」
昔あまり反響がなかったけど今ならバズるかなというわけで、また銅イオンの話です。
銅が水に触れると放出される銅イオンはコーヒーの香りを破壊してしまいます。
理屈でいうと銅と硫黄は反応しやすいので有機硫黄化合物である香りの成分と結合して香りをだめにしてしまうのです。
お手元のコーヒーに十円玉を一瞬浸けて実験してみてください。
これは中国茶やワイン業界で知られていることなのでそのうちコーヒー業界でも知られることになると思います。
これがなんでコーヒーの問題になるかと言うと水道管の部品や写真の整流栓という家庭用蛇口についている黄銅製の部品が銅イオンの放出元に成るからです。
更に寒い時期お湯でコーヒー器具や茶器を洗いますが温水器には熱伝導の良い銅のパイプが使われているのでお湯でカップを洗ったり同じ蛇口からお湯が混ざった水をくんだりすると著しく香りが悪くなります、
厄介なのが銅は元素なので真水でよく流す以外に対処法がないことです。
(エスプレッソマシンも銅パイプ銅ボイラーなのでそこからお湯をとるのはオススメできません)
また私が心配しているのはワイン業界で起こったことが有機コーヒー業界でも起こることです。
ワインには代用農薬としてベト病にきく消石灰と硫酸銅を水に溶かしたボルドー液が使われているのですがそれを使いすぎるとワインの香りを悪くすることが知られています、
もし地球温暖化とかでコーヒーサビ病がまた蔓延したら有機農法をしている人たちもボルドー液のようなものに頼るのではないでしょうか?
そうして土が銅まみれになって過剰に吸収されて有機コーヒーの味が台無しになり除染に何年もかかる…
もちろんそうなったとしても使う人を責めるわけには行きません、そうならないことを願うばかりです。
他にもコーヒーの香りを破壊する物質はたくさんありますがそれにつきましては拙著「サラームカフィのプロも知らない美味しい珈琲の淹れ方〜珈琲はマヨネーズ電池〜」をご覧ください。